新しい機能でも、難しい設定でもありません。ふだん人に仕事を引き継ぐときに書く手順書と、 考え方はまったく同じです。保存場所と作り方まで順を追って説明するので、 読み終わったら自分の1つ目が作れます。プログラムの知識は要りません。
AIに仕事を頼むとき、いい結果を出すには前提をきちんと伝える必要があります。 でもそれを毎回打つのは現実的ではありません。そこを埋めるのがスキルです。
特別なサーバーやクラウドではなく、自分のパソコンの中のフォルダに入っています。 置き場所は2種類あり、どちらに入れるかで使える範囲が変わります。
| 種類 | 場所 | 使える範囲 |
|---|---|---|
| 自分用 | ~/.claude/skills/ |
どの案件でも使える。ふだん使うのはこちら |
| 案件用 | .claude/skills/ |
その案件のフォルダの中だけ。案件固有の手順を入れる |
~ はホームフォルダ(自分のユーザー名のフォルダ)を指す記号です。
実際のパスはこうなります。
Mac /Users/ユーザー名/.claude/skills/
Windows C:\Users\ユーザー名\.claude\skills\
.claude のように先頭がドットで始まるフォルダは、
通常は非表示になっています。探しても見つからないのはこのためで、
フォルダが無いわけではありません。
Macなら Finder を開いて command + shift + .(ドット)を押すと表示されます。 Windowsならエクスプローラーの「表示」メニューから「隠しファイル」にチェックを入れます。 同じ操作でまた非表示に戻せます。
中はこうなっています。フォルダ名がそのまま打つ言葉になるのがポイントです。
pm というフォルダを作れば /pm で呼べます。
skills/
├── pm/
│ └── SKILL.md ← /pm で呼ばれる
├── writer/
│ └── SKILL.md ← /writer で呼ばれる
└── qa/
└── SKILL.md ← /qa で呼ばれる
SKILL.md という名前のファイルが1つ入っているだけです。
末尾の .md は文字だけが入ったファイルという意味の印で、
Wordのように装飾の情報を持たないので軽く、AIがそのまま読めます。
くわしくは ObsidianをAIの作業台として使う の
「mdファイルとは何か」で説明しています。
中身はふつうの文章です。構成は2つに分かれています。
---
description: 誤字脱字と表記ゆれをチェックする。文章の校正を頼まれたときに使う。
---
## やること
渡された文章を読んで、次の順にチェックする。
1. 誤字脱字
2. 表記ゆれ(例:「Webサイト」と「ウェブサイト」の混在)
3. 二重敬語・回りくどい言い回し
## 報告のしかた
「元の文 → 直した文」の形で並べる。
勝手に書き換えず、報告だけする。
Claude Code(デスクトップアプリでもターミナルでも同じです)を使える状態にしてから始めます。
~/.claude/skills/ の中に、スキル名のフォルダを作ります。
ここでは proofread(校正)とします。
この名前がそのまま /proofread になります。
SKILL.md です(大文字)。
前の章の例をそのまま貼り付けて、内容を自分の仕事に書き換えてください。
メモ帳でもテキストエディットでも作れます。
skills フォルダそのものを
今回はじめて作った場合は、Claude を一度閉じて開き直してください。
2つ目以降のスキルは、保存した時点ですぐ使えます(再起動不要)。
いきなり10個作ろうとすると、確実に途中で止まります。順番はこれだけです。
きれいに書こうとしないでください。読むのはAIと自分だけです。 体裁を整えはじめると手が止まります。箇条書きの断片で十分に働きます。
TEAM TSUMUGURU という名前で、Web制作に必要な役割をひと通り用意しています。 人を雇っているわけではなく、すべてこの「メモ」です。 作るものを考えるときの参考にしてください。
| 打つ言葉 | 担当 | 頼めること |
|---|---|---|
| /pm | ディレクター | 要件整理・見積もり・公開していいかの判断 |
| /marketer | マーケター | 集客の設計・広告・SNS企画・申込率の改善 |
| /designer | デザイナー | 画面設計・Figmaまわり |
| /writer | ライター | キャッチコピー・本文・ボタンの文言 |
| /engineer | エンジニア | サイトの実装全般 |
| /seo | SEO担当 | 検索に強くするための設定 |
| /qa | 品質チェック | 不具合探し・サイト精査・文章校正 |
| /infra | インフラ | 公開作業・セキュリティ・サーバー設定 |
| /analyst | アナリスト | アクセス解析・月次レポート・改善提案 |
| /secretary | 秘書 | 案件の状況一覧・やることの整理 |
どれを使うか迷ったときは、実際の制作の順番と照らし合わせてください。ほぼそのまま対応しています。
ひとつの会話の中で切り替えても大丈夫です。実装が終わったら 「次は /qa でチェックして」と言えば、担当が入れ替わります。
スキルの利点は、一度書けば書いた本人がいなくても同じ品質で仕事が進むことです。 うまくいったやり方をその場かぎりにせず、チーム全体で使える形にして残しておく—— スキルはそのための仕組みです。まずは1つ、今日いちばんよく頼んだ仕事から作ってみてください。